JIMOTTO
Mapで検索
エリア一覧
 

特集

/special feature
Area.H

愛すべき街・本牧の構成員のひとりとして
地域にかかわるのは当たり前のこと

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

INTERVIEW / 安田屋呉服店 店主 羽生田靖博さん


1911年(明治44年)に横浜の元町で創業、現在は本牧の地に移った安田屋呉服店は和服や祭用品を扱っています。その店主・羽生田靖博さんは、本牧リボンファンストリート商店会の会長であり、11の商店街が参加する山手地区商店街連合会の会長も務め、地域と深いかかわりを持っています。本牧エリアの魅力、さまざまな取り組みや今後の展望など、本牧愛に溢れたお話をうかがいました。

 

「安田屋呉服店」がある本牧リボンファンストリート商店会

― まずは安田屋呉服店について教えてください

私の祖父が明治44年に横浜の元町で始めた呉服屋で、大正15年にこちらに移ってきました。大正12年に関東大震災が起こり、復興には今の時代よりもずっと時間がかかることから元町にはいられなくなって、すべてを失った状態で本牧に移ってきたと聞いています。現在も変わらず、呉服や和装雑貨、本牧で450年以上続く「お馬流し」などに欠かせない祭用品を扱っています。

 

― 安田屋呉服店のある本牧リボンファンストリート商店会と
山手地区商店街連合会の会長を務めていらっしゃるとお聞きしたのですが、
最近、商店街ではどのような活動をされていますか?

商店街は時代によってやるべきことが変わるので、「できることを話し合いながらやっていきましょう」という考えのもと、会長を務めさせてもらっています。
商店街は商人の集まりですから、それぞれの売上を上げることを前提に、商店街の活性化や来客数の増加を目指しています。子供110番とか地域の見守りもしていますし、ハロウィンやクリスマスなど季節のイベントを開催して、お子さんにも商店街に来てもらえるような取り組みをしています。ほかには「商店街魅力アップ事業」の一環で「SDGs商店街プロジェクト」として近隣小学生と連携した企画なども進めています。

 

商店街の活性化を目指してつくられた「HOMMOKU BASE」

― 「HOMMOKU BASE(ホンモクベース)」はどのような場所ですか?

経済産業省の「地域まちなか商業活性化支援事業」で、本牧リボンファンストリート商店会が主体となり、助成金を受けて立ち上げたコミュニティスペースです。その頃、商店街に人が集まらなくなっていたので、多くの人に来ていただくために「何をすればいいか」「何があるといいか」という地域ニーズを、横浜市中区役所が調査してくれたんです。その結果、バリアフリーで、授乳室が必要で、ちょっとした休憩スペースがあると人が集まりやすいことがわかったので、そういう場所を整備しようと。今ではカフェ利用だけでなく、料理教室や発酵食品の体験型講座、体操教室など、地域の方に少しずつ使っていただけるようになりました。とはいえ、新型コロナウイルス感染症のまん延により思ったような活動がなかなかできませんでした。だから、これからだと思っています。

 

― コミュニティラジオ局が併設されているのも特徴ですよね。

そうですね。「横浜マリンエムエム」の代表の笹原延介さんが、3.11のときに被災地に入って支援活動をされた際にコミュニティ放送局が一定の役割を果たしていることを見て「これは横浜にも必要だ」と。防災の観点からコミュニティ放送局をつくろうとしていた笹原さんと商店街の活性化を目指す我々とで話し合って、一緒にやっていこうということになりました。まずはコミュニティカフェをオープンさせて、その後に「マリンFM」が開局しました。

 

― ご自身のお店のことだけでなく地域の活動にも積極的にかかわられる、
その原動力は何ですか?

例えば、お祭り。いろいろな意見がありますが、僕自身はとても重要なものだと思っています。お祭りには長い歴史があり、それを継承していくのが神社です。うちは神社の半纏や手ぬぐいをつくらせていただいているので、自ずと街とのかかわりができてくるんですよね。街があってうちの店があると思っています。それに商人は町の構成員の一部、かかわるのは当たり前ですよね。

 

本牧の魅力

― 「本牧テーマパーク構想」という大きなプランがあるそうですね。

テーマパーク構想の基礎となるハビタット・アイランドという考え方があって、生息地を意味する言葉なんです。本牧という住所ではなく、もっと大きなエリアとして本牧をとらえると、水族館があるし博物館もある。三渓園という有名な庭園もあれば自然公園もある。そんな場所は他にはないと僕は思っています。これらをテーマパーク的なアイデアを持ってゾーン分けすれば、外から人が来てくれるだろうし、中に住む人はもっと街のことに興味が持てるようになるのではないかと考えました。

ここで生きている限りは、街が安定して、適切に循環していくといいなと思うし、「今、できることはないか?」と考える。それは僕だけじゃなくて、いろいろな人がしていることですよね。

 

― 最後に、羽生田さんが思う、この街の魅力を教えてください。

本牧はすごく住みやすい街です。緑があって、学校もあるし、これまで大きな事件も起きてこなかった。愛すべき街だと思いますね。身近なところでは、商店街には行列のできる中華料理店や惣菜店、肉や麺の専門店など多くの人気店があります。
それに本牧は開港の舞台であり、エポックメイキングな出来事が起きた土地でもあるんです。ちなみに、「本牧(ほんもく)」という地名は日本中探してもここだけなんですよ。

 

● INFORMATION

安田屋呉服店

所在地
〒231-0806 神奈川県横浜市中区本牧町1丁目9
JR京浜東北・根岸線「石川駅」よりバスで14分
JR京浜東北・根岸線「桜木町駅」よりバスで「本牧一丁目」下車(17分)
TEL
045-623-578
公式サイト
https://gofuku.yasudaya.info/home

– – – –

HOMMOKU BASE

所在地
安田屋呉服店の2階にあります
TEL
045-622-4411
公式サイト
http://hommoku-base.com/hommokubase/

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

New topics

最新の記事

  • Area.H

モチモチ食感が自慢
本牧の老舗製麺店『満寿屋』

– 創業大正13年の老舗製麺店『満寿屋(ますや)』 横浜市中...
  • Area.H

自由な発想を大切にする
かわいらしい街のケーキ屋さん『ようせいのいたずら』

地元の方に愛される『ようせいのいたずら』 様々なお店が立ち並ぶ本牧通りの...
  • Area.S

職人が生み出す逸品に敬意を込めて
『横濱蔵出し チーズケーキ 寿々喜屋』

扱う商品は、社長が自ら選んだ逸品 横浜・新山下にある小さなお店『寿々喜屋...
  • Area.H

“ザ・町中華”が食べたいなら
本牧通り沿いの『天一景』へ

地元に愛される中華料理屋『天一景』 数多くのお店が建ち並ぶ「本牧通り」沿...
  • Area.H

地元の方からも大人気のパン屋さん
昭和23年創業の 『本牧館』

– 地元はもちろん、遠方からのお客さんも多い人気店。 本牧の...
  • Area.S

肉厚パテのハンバーガーが食べたい!
新山下にある『Codie’s(コディーズ)』

– 白い木の建物にハンバーガーのイラストが目印のハンバーガー...
  • Area.H

ボリューム満点ランチを食べたい!
『ユナイテッドシーメンスサービス』

– 本格的なアメリカの雰囲気を味わいたい方にオススメ 横浜本...
  • Area.N

横浜でピクニックをするなら『根岸森林公園』へ!

元々は競馬場の跡地であった『根岸森林公園』。その広さは約18ヘクタール(...

More

page top